聞いてきました

ステファン・ポップ

4月18日、サントリーホール大ホールにて。

いろいろなものが限界を迎えるとおいしいケーキを買いに行ったり、チケットを増やしたりするのですが今回はこうなりました。

パヴァロッティの再来といわれているそうで、渡邊さん指揮の東京フィルによる運命の力序曲を楽しみながらどんな何だろうとわくわくしていました。

ところでサントリーホールの入り口で開場の時に流れるパイプオルゴール。あの鳴り始め、エトワールの一幕フィナーレっぽくないですか?気のせい?

www.youtube.com

気のせいでした。

(4/25追記)

1フィナじゃなくて間奏曲のほうでした

www.youtube.com

(追記ここまで)

女心の歌や蝶々夫人の二重唱を聞いて、確かにパヴァロッティの再来といわれるなと納得しました。彼そのものでは当然ないんですが、細かい抑揚とか、身振りとかがどこかパヴァロッティを彷彿とさせる感じでした。違いを挙げるとすればパヴァロッティのほうが力強く、ポップはもっと繊細な印象を受けました。どっちもすき。

再びオケでカヴァレリア・ルスティカーナの間奏曲。これにAve Mariaと歌詞をつけたものをかつて合唱で歌ったことがあるので懐かしいなぁと聞いていました。普通のAve Mariaはご存じの通りGratia prena dominus tecum benedicta tu...と続いていきますがこちらはAve Maria madre Santa...となる別バージョン。

In preda al duol, non mi lasciar, o madre mia, pietà!

悲しみにとらわれたままにしないでください、あぁ母よいつくしみを

とでも訳すんでしょうか。最後はnon mi lasciar!で終わるのきれいでいいですよね。

とまぁ今回はなかった歌の話は置いといて続き。

プッチーニのLa Bohème一幕最後。Che gelida manina、Si, mi chiamano Mimi、Osoave fanciullaと続けてだったのでてっきり流して演奏すると思ったのですが分けてましたね。La Bohèmeは初めて乗ったオペラなので少し思い入れがあります。またどこかでやらないかな。

休憩をはさんでロッシーニのLa danza。なんか中毒性ある曲でこの後電車の中でずっと聞いてます。なんなら誰もいない実験室で鼻歌歌ってます。セビリヤの理髪師の序曲、マッティナータ、カタリ・カタリ、帰れソレントへ。音楽の授業で帰れソレントへは歌いましたけど自分のひどさを思い出して改めて合唱で乗ることはもうないかもなぁなどと思いながら拍手していました。比較対象がやばすぎる。

さてそしてプッチーニ最後の傑作トゥーランドット。Signore, ascolta!はあまりこれだけ抜き出される印象がない気がします。次のやつが強すぎるだけとも言います。Nessun dorma!

これを書いているの夜23時なんですが、まだ眠れないようです。

Il nome suo nessun saprà ... E noi dovrem, ahimè! Morir! Morir!

これ実はカラオケ入ってるので(DAMかJoyか忘れた)ぜひ歌ってみてください。高くて出ないから。

これはもう拍手止まらないですよね。日本で特に有名な曲ですし。

アンコールにこたえていろいろ歌ってもらえたのですが、印象に残っているのはヴェルディ椿姫よりLibiamo。本邦では「乾杯の歌」として知られています。

前奏のあいだからポップ氏の誘導で手拍子が始まるわけですが、この曲、前奏が終わって歌が始まる直前に休符が入るんです。むなしく響く手拍子の音に「やっちゃったねぇ」という感じのいたずらっぽい笑顔を見せながらLibiamo! libiamo ne' lieti caliciと高らかに歌います。さすがに合唱は抜きで観客は手拍子でしたけどここみんなで歌えるくらいにはオペラという文化を当たり前にしていきたいですね。私椿姫は合唱で乗ったのでここ歌えるんですよ。

止まらない拍手にジェスチャーで「もう一曲聞きたい?行っちゃう?」という感じの何かをして何が来るかなと指揮棒が振り下ろされるのを待ちます。Libiamo二回目が来ました。わかるな?休符だからな?と思いながら前奏が終わりまたむなしく響く手拍子。海外のコンサートの映像とか見ても結構そういう感じなのでお約束なんでしょう。また笑いながらこの盃を酌み交わそうと歌い始めます。

笑ったのは最後のほうのアルフレードヴィオレッタの掛け合いのところ。「ほら返事しなきゃ」と指揮者に無茶ぶり。空いている左手で全力で拒否しながら指揮を続ける指揮者。

一緒に行った方と帰り路で少し話したのですが、テノールバリトンってなんでああいう風に暴れる方多いんでしょうね。めちゃくちゃ面白いので続けてほしいんですが、女声とかバスってあんまりそういうイメージがありません。まぁオペラでテノールとかバリトンというと大体女たらしの浮気者陽キャなのでそういうことなんでしょうか。

さて最後に。ロドルフォをやられているようで、機会があればポップのロドルフォのボエーム、聴きに行きたいですね。演奏会形式でもいいから……どこか…… パヴァロッティの再来ステファン・ポップ。とても良い経験となりました。

リカルド・ムーティ指揮 アイーダ 東京文化会館

アイーダ、初めて全部通して聴きました。いやYoutubeのオペラ対訳プロジェクトのやつなら聞いてましたけど。

音の解像度がまず違う。ムーティ指揮のものだと以前第九の音源を聞いたことあったんですが、フレージングというか、ダイナミクスというか。オケに要求する表現がとても豊かだなという印象を受けていました。二幕の凱旋の合唱のところ(超有名な凱旋行進曲はこの一部)とか結構高らかにぱぱーと鳴らすことが多いですし、私も自分で打ち込むならじゃーーーん!!!!!!!とやりそうなんですが、ほかに比べて抑えるところをすごく丁寧に抑えていて、それでも高らかな凱旋という印象は損なわず、これがプロというものなのだなぁと聴いていました。次打ち込みで作るのこれにしようかな。

行こうと決めた時には結構売り切れててそこそこいい席しか残ってなかったですがその場のノリでチケットとってよかったです。

ところで口座の残高が思ったより少ないんですけど……