製本作業(4終)

さていよいよ最終ステップです。

糸綴じ

写真。四つ目綴じの和装本。「錦藍奇譚」と書かれた題箋が貼り付けられている。
完成形。糸は麻糸を使用しています。

まずはこちらが完成形です。今回使用しているのは麻糸になり、このような用途で使う際には表面の毛羽立ち、摩擦が問題になります。綴じている間に糸が動かなくなって引っ張ると製本針の糸通す穴が壊れてしまいます。壊れました(一敗)。

そこで、一度蜜蝋で擦って蝋引きしてあげます。すると表面は滑らかになり、副次的に糸を針に通しやすくもなります。最近指先が不器用になりつつあるのでありがたい限りです。

綴じの詳細はまたものの本に譲るとして、少し綴じの形式のお話をします。

今回採用したのは穴が4つ空いている四つ目綴じと呼ばれる形式です。このほかに穴が5つのもの(朝鮮の版本に多いと聞きます)、四つ目の穴の近くにさらに穴を増やして装飾的になった麻の葉綴じ、亀甲綴じ、そして構造上弱くなる角部分に穴を追加して強く綴じる康煕綴じ(こうきとじ)などが知られています。

穴の数と位置、綴じる手順が多少異なるだけなので、ふと思い立ったらやってみても面白いのかもしれません。

ともあれ、これで「錦藍奇譚」は完成です。多分八部程度持ち込むと思います。10/9、惹き合う運命11thのスペースD06でお待ちしています。

ところで私はつみあがっている1000枚の本文用和紙(特注品)をどうするつもりなんでしょう。