新刊(続錦藍綺譚)製本(1)

ことの発端

実は最初は新刊も自家製本しようとしていました。しかし、まとまった時間が取れず、加えて以前少し印刷で相談していた印刷会社さんがやりたい製本を手の届く金額でやってくれるということでPDFをお送りして今到着を待っているところです。

ではなぜ「新刊製本」なのか。昨日、告知ツイートをしました。

はい。「異常設営」とまた言われています。こういうことを思いついてしまったのに加えて、今回の製本は少々読むために手順が必要なものとなっているので、読み方を何らかの形で公開するついでに頒布するものとは別に「展示用」のものを作ろうと思った次第です。

PDFを準備しよう

いつも通り、LuaLaTeX + jlreqで何やかんやして版面を作ります。これは最終的な本のサイズである105 mmかける145 mmになっています。はい。変版です。

画像化されたテキスト: Tibi peccata  太陽が沈んでからしばらく経った頃、長い戦闘がようやく終わった。明治神宮にほど近いところに据えられた野戦病院には多くのリリィが担ぎ込まれている。意識を失いかけているシュベスターにすがりつく者、応急処置を終えて学院近くの救命救急センターに搬送される者、軽い処置を受けて自分の足で帰る者。怪我の程度は様々で、この時代の十代の少女たちにとってはある意味見慣れた光景であった。その中で唯一異彩を放っているのは、白衣を纏って走り回る医療スタッフに紛れて黒衣に本を携えた男たちがいるところだろうか。
新刊の1ページサンプル

続いてこれを面付けしていきます。どうやらInDesignなどでは簡単にいくらしいですが、ページ数も高が知れているので、いつものように別のTeXファイルを用意してTikzで面付けしていきましょう。Tikzしか勝たん。

片面に8頁づつの計16頁を一枚の紙に印刷します。この辺りが印刷会社さんに出す時にページ数はホニャホニャの倍数でと指定される理由ですね。多くの場合は片面2頁の4頁付けになるはずなので4の倍数でしょうか。

怒涛の\includegraphics[page=ほげ,angle=ふが]{1ページづつつくったPDF}でごちゃごちゃやってこうします。

面付けしたもの

この紙を3回半分に折ることで1頁の大きさにまで小さくなった折丁ができました。

だいぶ折り目が太くなってしまったので、軽く水引(水で濡ら)して上から重石で抑えます。

全ての紙を折って重ねたもの。折り目が広がりかけている。

明日にはしっかり折り目がついていることでしょう。

それではおやすみなさい。